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┃ 旅の最中のよい香り Vol.052
│ 2006/08/29 http://www.i-yan.com/
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○私は今ここにいます : インド共和国 パンジャーブ州 アムリトサル
ナマステ、いいやんです。インドの旅もあとわずか、パキスタンとの国境近く
のアムリトサルという都市にいます。
ここはスィク教の聖地。頭にターバンを巻きヒゲを伸ばし、畏怖堂々としたスィ
ク教徒たちが妻や子供たちと共に巡礼に訪れます。その名のとおり金色に輝く黄
金寺院の周囲は水をたたえた堀がぐるりと囲み、その周りの石造りの境内を人々
が水で清めた素足で寺院へと向かいます。
▽アムリトサルの黄金寺院
http://www.i-yan.com/travel/vol52/amritsar.html
──今号のもくじ──
■ジャランジャラン・デリー
◆連載:今週のボイレコ
■『旅の店さき会話帳』−インド−
◆連載:今週の調味料
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□ジャランジャラン・デリー
3ヶ月ほど前に酷暑期に訪れたデリーは、CNN天気情報の最高気温のトップ
常連都市だけあり、それはそれは厳しい気候だった。旅仲間たちは体調不良で
ばたばたと倒れ、私もその例に漏れなかった。そんな事情もあり、旅行者の間
でデリーの印象は良くない。
リシュケシュからまたデリーへと戻り、酷暑の後の雨季も明けかけている。ま
だまだ日差しはキツいけれど、今回がデリーを知る最後の機会かも知れない。
まんをじして街歩き開始。
▽ジャランジャラン・デリー
http://www.i-yan.com/travel/vol52/jalanjalan_delhi.html
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◇今週のボイレコ
アムリトサルの黄金寺院のホール内はきらびやかに装飾され、柵に囲まれたじゅ
うたんの上には信者からのお布施が一面に広がる。その脇ではスィク教徒の音楽
家たちが演奏をし続けている。
▽黄金寺院の中で演奏されるスィク教の音楽
http://www.i-yan.com/travel/vol52/golden_temple.html
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□旅人と商売人との会話事例集 『旅の店さき会話帳』−インド−
インドの商売人は、いいかげんな態度に見える反面、実は巧妙に小遣い稼ぎに
精を出していたりする。都合の悪いことはスルーして、素知らぬ顔で話を進め
るのも特長のひとつだ。彼らとの会話は誰でも初めはストレスを感じるものだ。
しかし彼らに争う気はさらさら無く、話せばわかる人がほとんどなのも実事。
コントだと思って割り切ろう。
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●事例1.瓶詰めジュース屋にて
●事例2.レストランにて
●事例3.商店にて
●事例4.宿にて
●事例5.フレッシュジュース屋台にて
●事例6.サイクルリクシャーにて
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○事例1.瓶詰めジュース屋にて
旅「ペプシごちそうさま。ねえ、ディッリハートってこっちの方向でしょ?」
イ「そうだ。歩いて15分(※1)だな」
旅「15分?50じゃなくてワン・ファイブ?(※2)」
イ「ああ、3kmくらいだからな」
旅「…ええと、なんか計算おかしい気がするが。
リクシャーだといくらくらい?(※3)」
イ「30か、25ルピー」
旅「OK、ありがとう」
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※1:インド人は数字好きだが、あてにならない
※2:英語の15と50など音の似た言葉は念入りに確認すること
※3:値段の相場は畑違いの業者に聞くとすんなり教えてもらえる
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○事例2.レストランにて
イ「いらっしゃい」
旅「この人が食べてる卵のカレーいくら?」
イ「20ルピー(※4)」
旅「20かぁ………ちょっと待って、
そこのヒンディー語のメニューには20ルピーのやつ無いじゃんか」
イ「ライスが10ルピー、卵が10ルピー」
旅「卵…卵…あった、卵は8ルピーって書いてあるんだが」
イ「OK、18ルピーだ(※5)」
旅「…」
イ「2ルピーはアレだよ、バター代」
旅「…」
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※4:外国人と見るや、きりの良い数字に切り上げる商売人がいる
※5:過去の発言は華麗にスルー
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○事例3.商店にて
旅「全部でいくら?」
イ「152ルピー」
旅「500でお釣りある?」
イ「ノープロブレム」
旅「タンキュー」
イ「ほれ8ルピー、お、それからこれはこの店の英語のパンフレットだ」
旅「ふーん」
イ「ほい、じゃあこれが買った商品」
旅「…」
イ「どうしたんだ?(※6)」
旅「お釣り返せよ」
イ「おおそうだ、ほい40」
旅「…」
イ「すまんすまん500だったか、あと300だな(※7)」
旅「あんた、ホント気をつけたほうがいいよ」
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※6:お釣りから注意をそらして、客を帰そうとしている
※7:うっかり忘れていた演技をして罪をまぬがれるテクニック
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○事例4.宿にて
旅「今日チェックアウトします。
1週間先払いしてた分のお金を返してくれますか?」
イ「えーと…290ルピーを返却だな」
旅「OK」
イ「210ルピー釣りあるか?」
旅「ちょっと待って………あー無いわ」
イ「じゃあお前の友だちにこの500ルピー札を両替してもらってきたらどうだ?(※8)」
旅「えー………わかった、行ってくる」
5分後
旅「…みんな持ってなかった」
イ「そうか…じゃあ10ルピーくれるか。あとで300渡すから」
旅「OK」
イ「はー……………じゃあ一服するかな(※9)」
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※8:自分でやるのが面倒なことはちゃっかり押しつける
※9:自分で両替に行く覚悟を決めたが、すぐには動きたくない
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○事例5.フレッシュジュース屋台にて
旅「さとうきびジュースおくれ」
イ「小が5ルピー、大が8ルピーだ」
旅「じゃあいらねえ(※10)」
イ「OK、小が3ルピー、大が5ルピーだ」
旅「3ルピーのおくれ」
イ「よし」
グオングオングオン……ブシュウゥゥゥゥゥ……
旅「おいおい、でかいほう入れんなよ、3ルピーのほうだって」
イ「え!? もう絞っちゃったよ、いいだろ(※11)」
旅「よくねえよ、こっち!」
ごくごくごく
イ「もう1杯か?」
旅「いらない」
イ「余っちゃったよ、困るよ」
旅「しらねーよ!ほい10ルピー」
イ「小銭ないか?…釣りが無いんだ(※12)」
旅「用意しとけよ、こっちも無いよ」
イ「5ルピーの釣りならあるぞ。どうだもう1杯」
旅「いらねぇって。早くくずして来いよ」
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※10:ぼったくりにはさくっと帰るふり
※11:ときにはこんな力技も繰り出してくる
※12:インドの商売人は小銭を出し渋る。本当に持ってないことも多い
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○事例6.サイクルリクシャーにて
イ「うわあ、こりゃダメだ」
旅「どうしたの?」
イ「大通りが渋滞してて横切れない。悪いがここで降りてくれ(※13)」
旅「いやいやいや、どこだよココ。こんなとこで降ろすなよ」
イ「半額の10ルピーでいいからさあ」
旅「だいじょぶだよ、行け行け、ノープロブレム(※14)」
イ「…ノープロブレムかあ…」
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イ「ああちくしょう、お前割り込むんじゃねえよ!
ちょっとそっちは止まっててくれ、あああ動いたらそこが通れないだろ!
うるせえこっちだって急いでるんだ!気をつけないそっちが悪いんだよ!」
などと運転手がヒンディー語で叫びながらリクシャーは大通りを横切る
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イ「ふぅ〜……なあ、代金は40ルピーだ」
旅「え、なんで?」
イ「時間をたくさんロスしたからさ(※15)」
旅「俺もだよ。俺も時間をロスした。20ルピーしか払わないよ」
イ「お〜、貧乏なやつだ」
旅「時は金なりだもんなあ(※16)」
イ「…」
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※13:面倒臭いことは、やめられるならやらない
※14:インド人の口癖「ノープロブレム」はこちらが使うと意外に効果的
※15:契約とか約束とかいう概念は日本より意味合いが薄い
※16:あおられても怒ってはいけない
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◇今週の調味料
▽インドのファミレス“BURGER KING”のテーブルの上
http://www.i-yan.com/travel/vol52/chomi060829.html
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